

死が待ち構えていてもかまうものか。そして一層、王道を走れ。
中略
それもひそかに私は隠してきたのだ。今まで。この悩みを夜中に起きて詩を書いてみた。そして朝の光が庭を照らし出したときに、愛に満ちた人間の原型が自分を取り巻いてしまう。
ささくれてぼろぼろになった、この心よ。それでも高い空の雲にあこがれて、私は王道を走っていくのだ。
死はなんであるかを見極めるまで走り続けよう。
人はなんだろうか。
中略
死よ、もう私に語り掛けないで。なぜなら私の中に死に対する官能が燃え盛ってきたのだから。
私の生きる道は死ばかりを考えて歩むことではなく、私の生の限りを芸術の力をもって羽ばたいて、天高く舞い上がりたいのだ。もし神が雲の中でうずもれているならば、私をじっと見つめてほしい。私はどんな素晴らしい生きざまを宇宙の中の足跡を刻印してきたかということを見てほしいから。 ――草間彌生「生命の輝きに満ちて」より抜粋 また今回、当カフェのオープンに際し、祝辞を述べた森美術館・南條史生館長にカフェと草間彌生について聞いた。 Q:「私の大好きな私」というタイトルにはどのような意味があるのでしょうか? 南條館長:ある面、すべての作品が自分なんだよ。自分に対する蓄積、何度も何度も積み重ねていくこと、繰り返しで(草間さんの)作品ができているんですね。この私がいて世界があって、という構造でモノを見ている。このカフェも、作品で埋め尽くされたカフェなんだよね。
カフェ「私の大好きな私」
期間:2013年8月6日(火)~8月18日(日)
時間:11:00~23:00 (ショップは~21:00)
場所:ヒルズカフェ/スペース


